髪の毛は毛包と呼ばれる部分でつくられます。毛包の深いところには毛球があり、毛球は図のように毛母細胞と毛乳頭からできています。毛母細胞は、毛細血管から運ばれてきた酸素や栄養素をエネルギーにして、増殖や分化をくりかえし、これが上の方へと伸びていくことで髪の毛はつくられます※。また、毛乳頭はさまざまな物質を分泌して毛母細胞の増殖をコントロールしています。
※毛髪の成長速度は、1日約0.35mmで、1ヵ月に約1cm伸びます。
髪の毛は毛包と呼ばれる部分でつくられます。毛包の深いところには毛球があり、毛球は図のように毛母細胞と毛乳頭からできています。毛母細胞は、毛細血管から運ばれてきた酸素や栄養素をエネルギーにして、増殖や分化をくりかえし、これが上の方へと伸びていくことで髪の毛はつくられます※。また、毛乳頭はさまざまな物質を分泌して毛母細胞の増殖をコントロールしています。
※毛髪の成長速度は、1日約0.35mmで、1ヵ月に約1cm伸びます。
髪の毛には、大きく分けて硬毛と軟毛の2種類があります。
軟毛は直径が30µmよりも小さく、メラニン色素が少ないために、周りの髪の毛より薄い色をしています。人は乳児期から思春期へと成長していくにつれ、この軟毛が太く艶やかでコシのある硬毛へと変化していきます。また、髪の毛は約10万本あるといわれており、健康な人でも50~100本が毎日自然に抜け落ちます。
髪の毛1本1本には寿命があります。伸びては抜け、また新しく生えることをくりかえしています。これをヘアサイクルと呼んでいます。図のように毛包は、成長期、退行期、休止期のいずれかの状態にあり、このうち成長期が一番長く通常2~6年間続きます。しかしAGA(エージーエー)の人は成長期が短くなるため、髪の毛が十分に成長しません。
表に示した通り、脱毛症にはさまざまなものがあります。AGA(エージーエー)は前頭部や頭頂部など限定した場所で起こる抜け毛やうす毛であり、ほかの脱毛症とは異なります。
脱毛症 | 症状 | 原因 |
---|---|---|
AGA(エージーエー) | 思春期以降に額の生え際や頭頂部の髪が、どちらか一方、または双方から薄くなり、進行します | 遺伝やDHTなどが原因です |
円形脱毛症 | 前触れもなく、突然円形や卵型に髪の毛が抜けます
脱毛箇所は、1ヵ所のものから数ヵ所のものまでさまざまです |
自己免疫機能と関係が深く、ストレスは引き金にすぎません |
粃糠(ひこう)性脱毛症
(脂漏(しろう)性脱毛症) |
フケが増え、抜け毛が増えます | フケが増え、毛穴がつまって、毛根部の活動が悪くなり、抜け毛が増えます |
機械性脱毛症 | 額の左右の生え際が後退します | 髪の毛を長年にわたり引っ張っていると、毛包が萎縮します |
抜毛症
(トリコチロマニア) |
自分の髪の毛を抜いてしまう病気です | 情緒障害、ストレスなどがあげられます |
薬剤による脱毛 | 抗癌剤による成長期脱毛
高度のびまん性脱毛をきたします |
抗癌剤により高度の脱毛が起こることはよく知られています
抗癌剤以外の薬剤によっても脱毛の原因となることがあります |
1) 軽くブラッシングして、髪をととのえる。
2) 髪をお湯ですすぎ、汚れをザッと落とす。
3) シャンプーを手のひらでよく泡立て、指の腹の部分で頭皮をマッサージするように洗う。
4) 頭皮や髪にシャンプーが残らないよう、たっぷりのお湯ですすぐ。
5) リンスやトリートメントで毛先をととのえ、しっかりすすぐ。
6) タオルでたたくように髪の水分をとり、ドライヤーで乾かす。(ドライヤーはあまり熱くせず、風で乾かすように)
髪は皮膚と同じように、体の栄養状態が現れます。バランスの悪い食事をしていると肌の調子が悪くなるように、髪のコンディションも悪くなる可能性があります。
髪の主成分は「ケラチン」というタンパク質の一種です。そして「ミネラル」がケラチンの合成を促進します。
したがって、タンパク質を多く含む肉類、魚や大豆製品、ミネラルを多く含む海藻などは積極的にとるようにしてください。できるだけバランスのよい食事をとることが大切といわれています。
現代人なら誰しも、大なり小なりストレスを抱えて生きています。
過度なストレスは自律神経に悪影響を与えますが、そこまでひどくなくても睡眠不足になったり、きちんとした食事がとれなくなったりして、髪のためによくない環境をつくります。
ストレスは、スポーツや趣味で上手にコントロールしましょう。